虫歯や歯周病、顎の痛みは、遺伝的要因や生活習慣も含め、お口の中の歯並び・噛み合わせも深く関わっています。
噛み合わせの重要性
噛み合わせは、歯並びが単にキレイだけでなく、お口の周りも含めて、全体的な『バランス』が調和していることが理想的とされています。
噛む力や、歯並びによってバランスの差が生じると、顎の痛みや音、口が開けにくくなる『顎関節症』を発症、頭痛などの全身の健康状態に影響を及ぼすことがあります。
また、噛み合わせの力によって、歯の根本がくさび状にすり減ってしまったり、歯にヒビが入り、そこから虫歯菌に侵されやすくなってしまうケースがあげられます。
さらに、力のストレスは歯周病を悪化させることにもつながるため、最終的に歯が弱くなっていき、歯を失ってしまう原因となります。
当院では噛み合わせについて専門的な知識と、豊富な診療経験を有しています。診療の際は、自覚症状の有無にかかわらず噛み合わせをチェックしています。
細かな診査や診断の結果、不具合がある場合には、患者様にとってバランスのよい位置に調整し、本来あるべき位置へ顎を導く治療を行います。
また、原因が歯並びから起きている場合は、状況によって矯正治療をおすすめする場合がございます。
矯正相談は無料となっていますので、お気軽にご相談下さい。
噛み合わせは、口に関わるあらゆることに影響するため、このような診療方針の上、患者様の健康を管理させていただいております。
噛み合わせを整えることでお口の中の環境も整いやすく、歯の被せ物や詰め物なども長持ちしやすくなります。
被せ物や詰め物などが、何度もすぐに取れてしまうという方、入れ歯が合わず痛いという方も、当院へぜひご相談ください。
歯ぎしり・食いしばり・噛みしめ癖(ボトックス治療)
- 寝ているときの歯ぎしり
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寝ている間の歯ぎしりや起きているときの食いしばりなどが、日々繰り返されていると歯に大きな負担を強いることになります。
長期間にわたりこのような歯ぎしりや食いしばりが続くと最終的には、歯に細かいひびが入ってしまいさらに、この傷をきっかけに虫歯になりやすくなってしまいます。
ホームケアを丁寧にしていても、虫歯や歯周病などになりやすい方や虫歯を繰り返す方などは、噛み合わせとともに歯ぎしりや食いしばりなどをチェックすることをお勧めいたします。
また、夜間の歯ぎしりや食いしばりなどは、軽度のものを含めればお子様から成人までの約9割の方にみられる現象です。
しかし、無意識下でのご自身の行為であるため、ご本人様が気付きにくいというのもこの問題を深刻化してしまう要因の1つです。
心当たりがある方は一度、当院へご相談ください。
歯ぎしりや食いしばりなどが原因で、寝起き時に歯がしみる、歯が痛む、顎がだるい、顔がこわばるなどの症状が引き起こされることはございませんか?
歯ぎしりや食いしばりなどは無意識に引き起こされる異常な顎の力で、歯の磨耗や破折、歯周組織の破壊などを引き起こすことが知られています。
これらのほかに、顎の筋肉の疲労および筋肉痛、重症化すると頭痛や肩こりなどを引き起こす症状も確認されています。
また、歯ぎしりあるいは食いしばり癖は、顎関節症を引き起こす要因にもなります。
- ストレスによる歯ぎしり
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ストレスなどが原因で無意識に歯ぎしりあるいは食いしばりする力も、寝ている時の無意識下と同様で強大であり、意識下で噛む力の10倍以上に達するとも言われています。
仕事やスポーツなどで過度に緊張および集中しているときでも、無意識の中で発生することがあります。
そのため、歯を守るためにマウスピースを装着し、無意識に歯ぎしりあるいは食いしばりをしてしまっても歯にかかる力を分散するような方法がございます。
また、異常な咬筋の発達により咬合力そのものを低下させるボトックス療法がかなりの効果を上げています。
当院では、様々な治療法の中から、それぞれの患者様の症状に合わせた対症療法を提案させていただいております。
- ボトックス療法
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歯ぎしりあるいは食いしばりを長い期間続けている人のエラにある咬筋は、一般的に肥大しており、強い咬合力が生じます。
そのため、その過大な力をコントロールするために、顎のエラ付近にある咬筋に『ボトックス』と呼ばれる薬を注入する方法です。
ボトックスは、弛緩作用や筋肉の動きを抑制する効果を有しています。
咬筋に対するボトックス療法では、筋肉を収縮させる神経の信号を遮断することにより、筋肉が萎縮することで、噛む力を徐々に減弱させる方法です。
この治療では通常、直後〜3日後で効果が認められ、その効果は3ヶ月程度持続します。咬筋へのボトックス治療の適応性セルフチェック
以下の項目にいくつ心当たりがありますか?- 就寝中に歯ぎしりあるいは食いしばりをしているといわれる(自身で歯ぎしりあるいは食いしばりをしていることに気がついたことがある)
- 気がつくと、上下の奥歯を噛んでいることがある(パソコン操作、書類作製や家事など集中した作業をしているとき)
- けがをしているわけでもないに、ほほを押すと痛みがある
- 顎関節症の症状と診断されたことがある
- 周囲の同年代の人と比べると歯が磨り減ってように感じる
- 治療していても、知覚過敏がなかなか治らない
- 突然、健康な歯が割れたり欠けたりしたことがある
- 顔がこわばってしまう
- 顎の疲れを日々感じる
- 目の奥が痛むことがある(眼科では「異常なし」と診断されたことがある)
- 肩こりが常にある
- 咬むと複数の歯に違和感あるいは痛みがある(歯医者では「異常なし」または「咬み合わせ」の問題だと診断されたことがある)
- 顎角(エラ)が異常に張っている
上記の項目に当てはまるものが1つでもあれば食いしばり癖の疑いがありますが、ボトックス治療によって改善できる可能性もあります。 但し、その他の要因あるいは複合的な要因で症状が引き起こされている場合もあるため、専門医による診査および診断を受ける必要があります。 ボトックス治療の適応症かな?と思われる方は一度当院へご相談ください。
- マウスピース(ナイトガード)
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個々の歯にかかるストレスを、全体的に分散するために成形されたマウスピースです。
マウスピースは既存に作られたものを使用するのではなく、患者様の上下の歯型と噛み合わせの型をとらせていただき、1人1人の噛み合わせにカスタマイズしたマウスピースを製作します。
上と下との噛み合わせの型を採取せず歯型を取っただけででき上がる素材が薄く柔らかいマウスピースもありますが、噛み合わせの力が最もかかる奥歯の位置が短期間で破れてしまい、マウスピース本来の機能を失ってしまいます。
また、素材が柔らかいタイプのマウスピースもあり、装着感が良いので好まれる傾向があります。
しかし、このようなタイプのマウスピースは、その適度な柔らかさのため、噛み締め癖を誘発あるいは悪化させる恐れがあります。
当院では、3タイプのマウスピースを取り扱っており、それぞれの症状やお口の中の状態に合わせて、マウスピースを製作しています。
これにより、患者様の噛み合わせや力による歯のトラブル防ぎ、顎関節を含む歯周組織の守り維持していく治療を進めています。
顎関節症と噛み合わせ
「顎関節症」の症状では、口を開けたり閉めたりすると顎関節からパキッ、カックンもしくはゴリゴリと音がします。
口を大きく開くと痛みがある、もしくは痛みのために十分に口が開けられないというような症状は特に深刻です。
その場合、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
顎関節症になる原因は?
顎関節症の原因として次のような事柄が挙げられます。
● 歯ぎしりあるいは食いしばりを日常的にしている
● 硬い食べ物が好物であり、頻繁に食べる
● 片方の歯で噛むなどの癖がある
● 過去の矯正治療後の噛み合わせが曖昧な状態(どこで噛んで良いかわからない)
● 歯並びが悪い
● 治療した歯が多く被せ物がお口の中に多数入っている
● 奥歯の歯を抜いてから放置している
● 大きな範囲の入れ歯がすり減ってきている
このような様々な原因によって顎関節症を発症する事が考えられます。
当院では、患者様の本来の顎の位置関係を模索した上で、理想的な噛み合わせに位置関係をシュミレーションし、噛み合わせのバランスの調整方法として、必要に応じて噛み合わせの微細な調整や、矯正治療、被せ物をプロビジョナル(仮の歯)に変えて、噛み合わせを再構築していきます。
そこでプロビジョナルに置き換えた上で、経過を辿り、問題なければ最終的な被せ物に変えていきます。
あるいは、対処療法になりますが、より厚みのあるマウスピース(スプリント)の作製も行っておりますので、お気軽にご相談ください。